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※キララク・パロディ・現代日本風・大学生
『プレゼント ~ From Lacus To Kira ~ 』
「キラでしたのね。今までカガリさんへのプレゼントを、アスランにアドバイスしてさし上げていたのは……」
キラを訪ねて数学研究室に入ってきたラクスは、ペールブルーの瞳を柔らかに細めて言った。
そんな彼女を、キラは面白そうに瞳を輝かせて見つめる。
「……どうしてそう思うの?」
「簡単ですわ。アスランが頼りそうな方はキラだけですし、キラならカガリさんの好みも熟知していらっしゃるでしょう?」
ラクスが少し得意そうにして告げると、キラはくすくすと笑った。
「アスランも形無しだな。ラクスみたいな名探偵がいるからさ」
キラはあっさりと真実を告げだが、「このことは内緒にしておいてあげて」と念を押すことを忘れなかった。
「毎年ね、アスランってカガリの欲しいものを、僕にリサーチしにくるんだ」
いつでも『正しい』答えを見つけようとするアスラン。キラは、アスランのそういう生真面目なところを好ましいと思いながらも、どこか、もどかしくも感じていた。
「でも、今年は教えてあげないって言ったんだけどね。だって、自分で考えなきゃ、意味ないでしょ?」
誕生日プレゼントは、そういうもの――キラは、そう考えている。
第一、カガリは基本的に、自分の欲しいものは自分で手に入れるタイプであって、男におねだりするような女らしいことをしないのだ。だからこそ、付き合って初めてのプレゼントぐらい、思い出に残るようなものをアスランに考えて欲しかったのだが……
「けど、それが『醤油差し』とはねえ……。ホント、アスランって極端から極端に走るんだから。ま、ある意味忘れられないプレゼントになったけどさ……」
「先程は、その件で大騒ぎでしたのよ」
ラクスは笑いながら、ラウンジで起きた出来事を話した。
一通り、二人で笑い会った後、ラクスはトート型の鞄から、小さな箱を取り出した。
「お誕生日おめでとうございます、キラ。こちらはわたくしからのプレゼントですわ」
「ありがとう。……実は、ラクスがここに来てから、ずっと期待してたんだ」
キラが受け取った黒い箱には、有名なハイブランドのロゴが入っていた。包みを開けると、中にはそのブランドの携帯ストラップが入っていた。皮にブランドのロゴが型押ししてあるシンプルなデザインのものだ。
「わ……ヌイ・ヴィトンだ! ありがとう。こういうのは、男は自分で買わないからね」
「実は……」
そう言って、ラクスが鞄から出したピンク・パールの携帯電話には、キラのもの同じストラップが付けられていた。
「おそろい?」
「はい」
ラクスの好みとはずれているが、男でも女でも付けられるようにと選んでくれたのだろう。「おそろい」という言葉がなんだかくすぐったい。
ラクスがキラを大切に思ってくれていることは、充分よく知っている。だが、それを形にして示して欲しいと、欲しがりになる日が年に一度だけある。
キラは周りを見渡し、誰もいないことを確かめると、そっと白い頬に口付けた。
【目次】
【あとがき】
オチがなくてすみません。(山場もないですね。)
書いたはいいけど、あんまり面白くなかったんですよ……。
それに、数学を専攻している人って、白衣着るのだろうか?って、悩み出してしまって。
以下が【ボツにしたオチ】↓↓
「早速つけ……」
キラの携帯には、携帯ショップで配布しているクリップの付いたストラップが付いている。これは、白衣の胸ポケットに携帯を固定するのに使っているものだ。
いつもはズボンの後ろのポケットに携帯を入れているが、白衣を着た時には、ズボンのポケットが隠れる代わりに白衣の胸ポケットに入れる。白衣を着て屈んだ時によく携帯を落とすので、格好悪いけれど、このストラップは便利なのだ。胸ポケットに入れても落ちないため、実用主義の理系男子には人気のストラップである。
キラは、ラクスからもらったストラップを付けようとした。だが、ストラップを取り付ける穴が小さく、どうにも二つ一緒には付けられないようだった。
「あー……じゃあ、こうするね」
キラは、いつも持ち歩いているリムーバブルディスクにストラップを取り付けた。ストラップは、小さなディスクよりも明らかにでかい。
ラクスは信じられないものを見たと思ったが、いつものように、にこにこと微笑むだけにしておいた。
↑↑結局、キラもいまいち女心が分かっていないというオチでしたー……。ご、ごめんなさい……。