[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
シャッとレールが勢いよく走る音が聞こえた。
カガリ……?
アスハ邸で書類整理の作業中に、どうやら俺は、うとうとと眠ってしまったらしい。俺の眠りを妨げないようにと、カガリが日除けに、レースのカーテンを閉めてくれたのだろう。
やわらいだ日差しが、カガリの顔や身体に精緻なレースの文様を付ける。
開け放たれた窓から風が入って、カーテンが翻る。太陽の光が直接カガリの瞳を貫き、金色に輝かせて見えた。
あ……、綺麗だな……。
ずっと、こうしてまどろんでいたいのと、オフとはいえ仕事中なのだから――今日は二人ともオフだが、明日以降のカガリの仕事に合わせて、やらなければならない細々としたことを片付けている最中だったのだ――という責任感。ただひたすらに優しい時間を惜しむ気持ちは強かったが、俺は結局、起きることにした。
身じろぐと、俺の手の平から、書類が落ちる。
拾い集めて立ち上がろうすると、ガンッとしたたかに側頭部をテーブルにぶつけた。
声にならない呻き声を上げると、カガリが「大丈夫か!?」と駆け寄って、ぶつけた箇所をそっとさすってくれる。
「テーブルに頭ぶつけちゃったのか……。コーディネーターのくせに、本当に馬鹿だなあ。アスランは――」
それは何だか懐かしいフレーズで……
ぎゅっとカガリの華奢で柔らかい身体を抱きしめる。「おい!」とカガリの慌てる声が聞こえるが、俺はますます腕の力を強めた。
「捕まえた……。俺の陽だまり――」
【あとがき】
ア、アスランはこんなこと言いません……(滝汗)
いや、恥は捨てるんだ!!考えるな!!考えたら負ける!!!
でも、ちょっと真面目な話、この2年間ってのは、つらくて苦しいけど、優しい時間もいっぱいあったと思うんだよな……。二人が本当の孤独を知った『光と影の時間』。
そして、最後のモラトリアム(頑張って働いていたけど、無意識に現実を見ようとしていなかったという点で。厳しい意見だけど…)。
う……せつなくなってきた(涙)