「さー、むー、いー！！」
　だったら中に入ればいいのに……。
　横から殴りつけるような潮風が吹く。寒気と湿り気を帯びた風は、長時間浴びると身体に良くないだろう。
　カガリは風に金糸を散らして、海に向かって「バカヤロー！！！」と叫んだ。
　恥ずかしいから止めてくれ！！
　困ったことに、カガリは「アスランもやろう」と誘ってきた。
「そんなことをするのは、子どもだけだ」
「私は、子どもじゃない！」
「子どもだよ」
　そんなに頬っぺたを真っ赤にして遊ぶのは、子どもの証拠だ。
「子どもは風の子って言うしな」
「う……子ども扱いするな！」
　俺をいつも困らせる可愛い子どもの手を引く。指先が冷たくなっていたから、握りしめた小さな手を、俺のジャケットのポケットへ入れた。
　気のせいか、カガリの頬がさっきより赤い。
　家に帰ったら、寒さで真っ赤になったカガリの頬を俺が暖めてやろうと思う。





『口説きバトン』目次










【あとがき】
ザラはやる気だ！（何を！？）
口説き台詞っぽくない口説き台詞も、シチュエーション次第で口説き台詞に（……のハズが、アレ？）
すぐムキになるカガリと、それを煽って「可愛いｖｖｖ」とか思ってるアスランって萌えませんか？（萌えませんか…そうですか……）




 

[6回]