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■キーワード1 『雪』
(学パロ?高校生くらい?)





「それ、俺のチョコレートじゃなかったっけ?」

 今日は二月十四日。俗にバレンタインデーと言われる日で、去年のクリスマス・イブに友人から恋人へと関係が変化したカガリが無心に食べているのは、彼女が俺にくれた『本命チョコ』のはずである。
「だって、お前チョコレートあんまり好きじゃないだろう?」
 う……まあ、そうだけど。でも、恋人からもらったバレンタインデーのチョコレートは、また別の話だと思うのだが……。
 本当は、外でデートをするはずだったのだが、どうも今夜は雪が降るらしく、雪下ろしの風があまりにも冷たかったため、俺たちは暖かい屋内へと非難したのである。
 付き合って二ヶ月と三週間。そして、今日はバレンタインデー。ただそっと触れ合うだけのキスしか交わしたことのない俺たちの関係を、もう少し進めたいと思うのは俺だけなのだろうか。しかも、俺の部屋に二人っきりなわけで。期待するなと言う方が無理なわけで……。
 しかし、当のカガリは男の部屋に上がりこんだというのに、全くの無頓着わけで……。
 でも、よく考えてみれば、付き合う前から全く男として意識されていなかったようにも思うわけで……。
 だがしかし、女らしさのなかったカガリが、俺に『本命チョコ』を手作りで渡してくれるようになったわけで……。そこはきちんと進歩があったと言えるだろう。(例えそれが、カガリの姦しい友人が、彼女をけしかけた結果だとしても)
「私さあ。トリュフとか、生チョコとか大好きなんだ。なんかこう、口の中で溶けるような感じがしないか?」
 そう言って、彼女はまたひとつ、丸いトリュフをかわいらしい口へと放り込んだ。
 チョコレートを転がす舌の運動が、桜色の唇が動く様子で分かる。 
 俺は、カガリの華奢な手をきゅっと握りしめ、その唇を奪った。
 ふっくらとやわらかい唇を唇でなぞる。びくり、とカガリの唇が震えて、少し開いた隙間から、舌をねじ込んだ。カガリの口の中は熱くて、滑らかで、俺の意識はぼうっと溶けそうになった。
 カガリの口内の温度で、溶けて小さくなったトリュフを捕らえ、舌をすり合わせる。
 それは、とびきり甘くて――
 二人の熱ですっかりトリュフが溶けきった頃、俺はカガリから唇を離した。
 紅潮した頬。赤く艶めいた唇。とろとろと蕩けそうな琥珀の瞳。俺が、それを齎したのだという事実が、俺の心を満たした。

「ホントだ。雪みたいに溶けるんだな」






『口説きバトン』目次










【あとがき】
こ、こら!食べ物で遊んではいかん!!(爆)



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今更ながら、種ガンで二次創作。
いつかは、サイトになるはず……

だったけど、なりませんでした。
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