忍者ブログ
種ガンダム(主にアスカガ)のブログサイト
63. 62. 61. 60. 59. 58. 57. 56. 55. 54. 53.
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


※アスカガ学パロ(高校生・幼馴染)
『つつゐづつ』 3-3




「恋愛ものってたくさんあるんだな。多すぎて分からない……」
「うん」
 カガリもアスランも、恋愛ものの映画はあまり見ないので、詳しくない。
 狭い店内に効率的に配架されたビデオやDVDの棚の間を、あてもなくぐるぐると歩いてみても、観たいものを選ぶことができないでいる。
「店員さんに訊いてみようか?」
「その方が速いかもしれないな」
 あてもなく探し歩くのも疲れてきたカガリに、アスランも同意した。
 これから映画を一本観れば、夕飯の時間ぐらいになる。カガリが自分の家に帰る時間を考えると、ここを早く出た方が良いとアスランは思った。
 アルバイトの大学生と思しきレジの男性店員は、暇そうにしているからちょうど良い。
 カガリは、少し緊張しながら――知らない男性と話すときは、いつでも緊張してしまう――その店員に、目当ての商品を尋ねた。
「レズのビデオありますか?」
 その姿は、未知の敵に真っ向から挑む英雄の如く。将に威風堂々であった。
 店員は、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしている。
(ちょっ! カガリ!!)
 アスランは、女性同士の同性愛を扱ったガールズ・ムービーを見せればいいと思っていたのだが、その訊き方では、アダルトビデオを探しているようである。
「違うんです! そういうビデオじゃなくて、もっとこうソフトなものを探しているんですが――」
 店員は、みなまで言うなといった様に、首を振ると、奥からパッケージのない黒いDVDを出してきた。
「これ、もう廃棄処分のやつだからあげるよ。本当は、未成年には貸しちゃいけないんだけど、俺も君の気持ちは分かるからさ。もう商品にはならないやつで、店長が欲しかったらやるって言ってたから大丈夫だ」
「あの! そうじゃなくて……」
「レズものとしては、初心者向けだと思うから、彼女も一緒に観れるよ」
 しっかりやれよ、と優しい笑みをくれる店員に、応えることが出来ないでいるアスランの代わりに、カガリが嬉々としてビデオを受け取った。
(そうじゃないんです……。俺たちが求めているのは、そういうものじゃないんです……)
 アスランの心情はそっちのけで、カガリは「早くアスランの家に行って観てみよう」とはしゃいだ。


 レンタルショップからの帰り道、カガリはご機嫌だった。
「親切な人だったな。ただでDVDがもらえるなんて」
「カガリ。本当にこれ見るのか?」
「当たり前じゃないか!」
 意気揚々と答えるカガリに、アスランは弱ってしまう。
「止めておいた方がいいと思うんだけど……」
「なんでだよ?」
 なんでと言われても、それをカガリに具体的に話すことができるほどの面の皮の厚さ――それは、度量と言うべきかもしれない――を、アスランは持っていない。
 恐らく、カガリはこういったものに免疫が全くないはずだ。何とか止めたいと思うものの、言い出したら聞かないカガリを止めることは不可能であった。






※※未成年は、アダルトビデオを見てはいけません。18歳になる(高校を卒業する)まで待ちましょう。また、未成年にアダルトビデオをあげたり、貸したりするのもいけません。

モドル≪  ≫ススム 


 
 

拍手[5回]

PR
この記事にコメントする
NAME : 
TITLE : 
COLOR : 
MAIL ADDRESS : 
URL : 
COMMENT : 
PASSWORD : 
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
ブログ内検索
プロフィール
性別:
非公開
自己紹介:

今更ながら、種ガンで二次創作。
いつかは、サイトになるはず……

だったけど、なりませんでした。
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
カウンター
フリーエリア
忍者ブログ | [PR]
shinobi.jp