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※アスカガ学パロ(高校生・幼馴染)
『つつゐづつ』 7-3
部活を終えたカガリが制服に着替えて、アスランの待つ教室へと向かっていた途中。
「カガリ!」
クラスメイトの少年が、下駄箱の影から現れた。
「わっ! ラスティかよ! びっくりした!」
「良かった。来てくれて……」
「……え?」
彼は、カガリが現れたことに、喜んでいるようだった。
一体、自分の何が彼をそんなに喜ばせているのかが分からなくて、カガリは困惑した。
「あの……何?」
「あー……その、なんだ……」
カガリの問いに、彼は俯き、どもりながら何かを言おうとしている。
「なんちゅーか、その……あ、あー……」
最初は、ラスティの様子を不思議に思って、理由を聞こうとしていたカガリだったが、彼のはっきりしない様子に焦れて、つい怒鳴ってしまった。
「何だよ! はっきりしろよ! 早く帰りたいんだけど!」
そう。早く、アスランと一緒に帰りたい。
カガリの剣幕に、ラスティは背中を押されたように叫んだ。
「俺っ、カガリのことが好きなんだ! 前からずっと良い感じだと思ってて……」
「……へ?」
「だから、その……、付き合って欲しいんだ!」
それを聞いて湧き上がってきたのは、度し難い不快感であった。
どうして、彼はカガリを女として扱うのだろう。
男だとか、女だとか考えずに、今まで楽しくやってきたはずだ。
やはり、カガリが彼をけしかけたからなのだろうか。
「あ……、あの、えっと……」
訳もなく、逃げなければと思った。
脚が上手く動かないが、ラスティから距離を取ろうとする。
その様子を、ラスティは、カガリが照れと困惑のあまり、この場を逃げ出そうとしているのだと思った。
「待って!」
細い少女の手首を掴む。
「……ひゃっ!」
カガリは怯えた声を上げた。
「何やっているんだ!」
怒りを孕んだ声に振りかえると、険しい顔をしたアスランがいた。
モドル≪ ≫ススム