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※アスカガ学パロ(高校生・幼馴染)
『つつゐづつ』 8-2
「カガリ。もう、大分寒くなって来ましたから、そんな薄着でいらっしゃると、風邪を引いてしまいますわ」
「……ラクス」
昼休み、カガリに呼び出されたのは、以前二人で話したことのある体育館脇のベンチだった。
あれから、たった一週間で、急に寒くなってしまった。カガリのむき出しの膝小僧が、赤くなっている。
「あ……そうだよな。ラクスも風邪ひくといけないから、違うところへ移動しよう」
「いえ、大丈夫ですわ」
そう言って、カガリの隣に座ると、大判のストールを二人の膝に掛けた。
「ありがと」
「どういたしまして」
身を寄せ合って座るのが、なんだかくすぐったくて、二人はくすくすと笑い合った。
「もう、仲直りはされましたか?」
「……ううん」
カガリの返答は予想が付いていたが、会話の糸口としてラクスは聞いた。
「なあ。恋人じゃないヤツと、恋人だと周りに思われていたとすれば、ラクスならどうする?」
ああ、アスランとのことを言っているのだな、とラクスは思った。
「その方と、恋人だと思われては迷惑なのですか?」
「迷惑……というか。でも、付き合ってないし……」
素直な人だと思う。だが、目の前にある事実だけを信じて、奥にある真実を探し出せずにいる。美点でもあり欠点でもあるその性質が、いずれ彼女を後悔させるのではないか。そう心配するぐらいに、ラクスは隣にいる少女に好感を抱いていた。
「では、その方のことは、好きではないということですか?」
「う~ん……。好き、だけど……そういう感じではない気がする」
『好き』というその言葉の定義が何であるのか。ラクスにも分からない。ただ、その人を好ましいと思う以上の何かがあるのだろう。
「あ! そういえば、私はラクスが好きなんだった……」
「『そういえば』……ですか?」
「あ……」
自分の言葉に不自然さに、カガリも気がついたようだった。
「忘れてしまうような『好き』は、聞いたことがありませんわ」
「うん。確かに……。あ、でも、本当にラクスのことは好きだぞ! そういう『好き』ではないのかもしれないけど」
「はい。わたくしもカガリのことが好きですわ」
カガリの頬が少し赤くなる。面と向かって好きだと言い合うのは、照れるものだ。
「じゃあ、どういうのが『好き』なんだ?」
「さあ? わたくしにもわかりませんわ。ただ、一般的に、『好き』だと思うと、一緒にいたいと思う以上を求めるのだとか。キスをしてみたくなったり、触れてみたくなったり……あるいは、そうして欲しいと思うものだと、小説や映画では描いてありますわね」
「そっか……。ラクスとは、ただ映画やお茶をしに行きたいと思ってたんだ」
「はい。是非、行きましょう」
自分が好ましいと思う人から、仲良くしてもらうのは嬉しい。ラクスがカガリに抱いていた、ある一つの予感は正しかったようだ。
だからこそ、自分の気持ちに気が付いて欲しいと思う。
「カガリは、男の方から、触れて欲しいと思ったことはありますか?」
「ないよ! そんなの気持ちが悪いだけじゃないか!」
何故か、ムキになってカガリは言った。
「では、前に幼馴染の方に触れられた時は? ――きっと、そういうことなのですわ」
ラクスは、直接的な答えは言わない。それは、カガリ自身が出さなければならない答えだからだ。
どうか手遅れになる前に、気が付いて欲しいと願っていると、カガリは突拍子もないことを言い出した。
「ラクス! 私の胸を触ってくれないか!?」
自分の良いところは、何を考えていても顔に出ないところだとラクスは思う。この時も、自分の美点を如何なく発揮したために、カガリを傷つけずに済んだのだった。
カガリの手が、ラクスの手を自らの膨らみに誘う。
ふかふかと心地よいぬくもりを手の平に感じた。男の人が、これを触りたがる気持ちが、ラクスにも少し分かったかもしれない。しかも、カガリの胸は存外大きくて、自分のものと比べて羨ましくなった。
そうこうして、しばらく触っていると、カガリは何かに気がついたのだろう。「ありがとな!」と言って、颯爽と教室に戻って行った。
ラクスは、なんだか妙に疲れてしまったが、やはりそれを顔に出さずに、自分の教室へと戻ることにした。
この時、二人の触れ合いを見つめていた視線があったのだが――ラクスもカガリも、その視線に気が付くことはなかった。
モドル≪ ≫ススム
【あとがき】
実は、ラクスがこんなこと考えていたらおもろいwww
また長くなってしまった。まだもう少し続きます。すみません。
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